私は悲しめないけど

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夜通し見守っていたある日、つい少しの間うたた寝をしてしまっていた。 なんてことをしてしまったんだ… 彼女の部屋に異変が無いか確かめる。 お洒落なアパートの一階の部屋。明かりはまだ点いている。 よし、何も変わらない。 そんな平穏な空間に、怪しげな人物が現れた。 僕がいる場所とは反対側から歩いてくる。 その人物は、明らかにキョロキョロとしていた。何よりも、ジャージのようなズボンに、真夏だというのに長袖のパーカーを着て、フードを目深に被っている。 その人物は 彼女の部屋の前にやってきて…… 僕は走った。 無我夢中で走った。 彼女に触らせてたまるか! 殺させてたまるか!! お前に殺される前に僕が お前を殺シテヤルッ…!!
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