第1章

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「それなんだけど」 杉谷がテーブルの上の銀製品を指す。 「あっ! それ――――!」 「何か思い出したか!?」 やはりこの少女とランプは何らかの関係がありそうだ、と思った矢先。 「すごーい! これ横の粒々全部宝石でしょ? 綺麗ねー」 ガクリと杉谷が脱力する。記憶喪失になった人ってこんなに余裕あるもんなのか? それともこいつが特別なのか、同じ症状の人を見たことが無いからなんとも言えない。 「そういえば、何であんたの部屋で寝てたの? あたし」 もっともな質問である。 「…………あー、それは――――」 杉谷は家に帰ってからの出来事をかいつまんで説明した。 「――――と、いうわけだ。何か質問は?」 はーい、となげやりに手を上げた少女が口を開く。 「とりあえずお腹空いたんだけど、何か無い?」
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