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「それなんだけど」
杉谷がテーブルの上の銀製品を指す。
「あっ! それ――――!」
「何か思い出したか!?」
やはりこの少女とランプは何らかの関係がありそうだ、と思った矢先。
「すごーい! これ横の粒々全部宝石でしょ? 綺麗ねー」
ガクリと杉谷が脱力する。記憶喪失になった人ってこんなに余裕あるもんなのか? それともこいつが特別なのか、同じ症状の人を見たことが無いからなんとも言えない。
「そういえば、何であんたの部屋で寝てたの? あたし」
もっともな質問である。
「…………あー、それは――――」
杉谷は家に帰ってからの出来事をかいつまんで説明した。
「――――と、いうわけだ。何か質問は?」
はーい、となげやりに手を上げた少女が口を開く。
「とりあえずお腹空いたんだけど、何か無い?」
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