第1章

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自身に向かって突進してくる杉谷に対し改めて向き直ったはっぴ男は懐からあるものを取り出した。 (なんだ? 小さな木槌と…………パチンコ玉?) おそらく木槌の方は杉谷を直接打撃するためのものだろう、パチンコ玉は飛び道具だろうか。 「ほら、当たると痛えから気をつけろ?」 そう言うと同時、男はパチンコ玉を一つつまむと宙に放り上げ、手にした木槌をまるでテニスのサーブのように空中に浮いたパチンコ玉へ叩き付けた。 「――――――――ッ!?」 跳んで来たのはパチンコ玉。しかしそれは杉谷の知るそれをはるかに超える大きさだった。ボーリング大サイズとなった鉄球が杉谷の体を叩き潰す凶器となって迫り来る。
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