第1章

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…………一寸法師だけにか。 「…………」 貴重な一瞬をとてつもなくくだらない事で消費してしまった一瞬前の自分を殴り飛ばしたく思いながら男の言ったことを反芻する。 (殴ったものが巨大化する小槌…………そんなメチャクチャな!) 今日半日だけで自分の常識が次々とぶち壊されていくのがわかる。 「種明かしの時間はおしまいだ。ここから本番、数も増やすぞ――――ッと!」 ゴバッ!! と、一度目とは比較にならない量の鉄球が杉谷に襲い掛かる。 男が小槌を振り切る前に杉谷は動いていた。転がるような横っ跳びで鉄球をかわそうとするが、ショットガンの弾丸のように撒き散らされた鉄の塊を全て回避することはかなわず、そのうちの一つが彼のわき腹をかすめていく。 「か…………、はッ!」
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