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わき腹を中心に鈍い衝撃が杉谷の体を駆け巡る。かすっただけでこの威力。もし直撃すれば人の体がどうなるか考えるまでもないだろう。
(はぁっ――――なんとかして、あいつに近づかないと)
接近してしまえば小槌を振るのを阻止できる、そう判断した杉谷ははっぴ男に向き直る。方針は決まったが具体的な方法が見つからない。そしてそれをゆっくり探す時間を与えてくれる敵ではない。
「そら! 足が止まってんぞ!」
立ちすくむ杉谷に次なる鉄球の雨が横殴りで降り注ぐ。地面に平行して迫るそれは歪な形をしたギロチンのように彼の上半身を噛み砕かんとする。
それに対し杉谷はほとんど前のめりに倒れこむようにそれを回避。屈んだ状態から体を起こす勢いを利用し一気に前へ出る。はっぴ男は少し驚いた顔をしたがすぐに好戦的な笑みへと変わる。
「いいねぇ、魔装具も持たねえ素人がなかなか食らいついてくるじゃねぇか!」
「――――うるっせぇよ!!」
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