第1章

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「――俺はそいつを守って見せる。 テメェみたいな奴から、そいつの世界を――ッ!」 杉谷の宣言に今まで黙っていた男が口を開く。 「ハッ、いいねお前! いいよいいよそういうの、すげー俺好みの展開だ。そうだな、俺に勝てたらさっきの発言取り消してやるよ。」 はっぴ男のできるもんならやってみろ、という挑発的な視線に対し杉谷は、無言で男をにらみ付ける。その口元には獰猛な笑みが浮かんでいた。 「その台詞忘れんじゃねぇぞ!」 「忘れる前に潰してやるよ!」 先に動いたのは杉谷。弾かれたように駆け出す彼の瞳は正確に男を見据えている。 「ぉ、おおおおおおおおッ!!」 咆哮と共に突き進む。
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