第2章

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「おい! 大丈夫か!?」 おぼつかない足取りで少女の元へ向かう。銀色の少女は目立った外傷もなく穏やかな寝息を立てている。 「ん…………寝息? こいつ、寝てるだけかよ…………」 緊張の糸がきれたのかその場にへたり込む杉谷。そこに、 「ええ、それはもう。大事な回収対象に傷をつけるわけにはいきませんから」 氷のように冷たい声がした。 「!?」 ガバッと、声がした方へ首を向ける杉谷。そこには一人の女性が佇んでいた。身長は杉谷とそう変わらない。  長い黒髪を後ろでまとめ、服装はへそだしタンクトップの上から丈の短いデニムジャケット、下は同じくデニムのショートパンツ。そこに二本のベルトが通っている。 そして一際目を引くのが腰に巻かれた二本のベルト。そこにさげられている左右四振り、合計八振りの刀だろう。
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