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受け取った荷物の差出人を確認する。そこに書かれていた名前は今ドコにいるかも分からない我が実父のモノだった。
「またか、今度は一体何を送ってきたんだ?」
また、というのは去年親元を離れ一人暮らしを始めてから1ヶ月に一度程の頻度でこうして仕事先から土産を送ってくるのだ。前回は中国から何が入っているかわからない漢方薬だった気がする。蓋を開ける前から鼻を突くような刺激臭を振りまいていたからそのままゴミ箱に突っ込んだが。
そんなこともあってあまり期待はせずに包みを開ける。
丁寧に梱包された中身をとりだす。手に取ったそれは一辺が30cm程の正方形の古い木箱で、しかしそれは汚いという印象を微塵も感じさせないでいた。
で、結局一体何が入ってるんだ?
軽く傾けてみるとかたかたと硬いものがぶつかり合う音が聞こえる。
とりあえず開けてみるか。 木箱の側面にある窪みに指をかけ軽く力を込める。乾いた音を鳴らし木箱の上部分が外れる。開かれた木箱の中に入っていたのは昔話に出てくる魔法のランプのようなものだった。
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