2094人が本棚に入れています
本棚に追加
/725ページ
8月23日。全校登校日。
何故夏休み終盤に登校せねばならないのかは分からないが、決まっているものは仕方ない。
久しぶりの電車に揺られ、あくびを我慢することなく独りの時間を過ごす。朝から誰かと登校するのは億劫だ。のらりくらりと意識を覚醒させながら、学校へと向かう。
身体は、不意に動くようになった。3日前の話だ。動けぬままに1日を終え、起きてもそれは変わらなかった。カスミは脚の痛みがかなり楽になったらしいが、俺は変わりなく動けない。
リユスは朝から学園に行ってしまったので、2人特に会話も弾むことなく時間だけが過ぎていく。
やがて、お昼時になりリユスがいなかったので、昼をカスミが作ってくれることになった。渋い顔をしながらキッチンを向かうカスミが、リビングの扉に手をかけたときだった。
『あれ?』
俺は、座っていた。寝ていた状態から身体を起こし、呆けていた。何が起きたのかは分かったが、何故かは分からない。とにかく、いきなり身体が動いたのだった。
急に起き上がったせいで、猛烈な目眩に襲われる。立ち眩みというか、座り眩みというか、とにかく頭が痛かった。
最初のコメントを投稿しよう!