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腹が立って、腹が立って言葉も出ないわたしに、どこまで意地悪するつもりだろう!
ほっとけば、いつまでも抱きついているイケメン男から逃げ出すべく、彼の胸をぐいぐい押して、やっとわたしが嫌がっていることに気がついたらしい。
彼は、わたしの額に、ちゅっとキスすると。ちょっと名残惜しそうにわたしを抱いていた手を放した。
そして……もっと、意地悪く笑う。
「ウソ。前言撤回。
彩乃は、初めての大人のキスって感じ?
二十五になってはじめては、遅いよな。
そんなに良かったなら、今度時間のある時ゆっくり……」
結局『する』ことしか、考えて無いんじゃない!
この男は……!
「変なコトなんて、しないし! もう二度と合わないし!!
……キスだって、別に初めてなんかじゃないんだから」
遅いファーストキスで悪かったわね!
わたしは、あんたと違って、軽い女じゃないんだから!
完全に頭に来て、ぐぃと睨んだら、イケメン男は楽しそうに、ふっと笑った。
「睨んだ顔も可愛いな」
「えっ!?」
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