運命の輪 THE WHEEL OF FORTUNE

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 たった一回の、しかも、そんなに長くない口づけだったのに。終わる頃には、もうわたしは限界だった。  下がアスファルトなのも構わずに、力の抜けるまま、へたへたと座り込みそうになる。 「おっととと」 「……っく」  バランスを崩しそうになったわたしを支えるように、イケメン男は、私の足の間に自分の膝を滑り込ませて抱きしめる。  わたしをちゃんと支えるには、それしかないんだけど、当たり前のように滑り込んだ彼の足が、わたしの敏感なところをこすって、カラダ全体がびくっとなった。  それに気がついたのか。  彼はにやり、と笑って耳元でささやいた。 「ふふん……? 感じた?  もしかしたら、彩乃は初対面でも気分が乗れば、やっちゃう方……?」 「……っ!! 莫迦っっ!!」  こ、コイツは……!  なんてことを言うのよ、エロ男!  顔が熱いのは別に恥ずかしいからでも、この失礼な男が好きになったからでもないんだからねっっ!  イライラする~~!  腹立つ~~!  くやしい~~!
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