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そう、本日何回目かのため息をついた時だった。
斜め後ろから声をかけて来たヒトがいた。
「まあ、鈴原さん。
準夜勤明けの日勤なのに、一度自宅に帰ったの?
大変ね~~お疲れさま~~」
な~~んて、ちっとも心がこもって無い挨拶!
昨日みたいに、午前0時をもって交代する準夜勤と、日勤の間は、残業が待ってなくても、八時間半しか無い。
だから少しでも帰りに手間取ると、最終電車が行っちゃうので、普通、病院の地下の仮眠室を使うヒトが多いけど。
わたしは、家が近い上。親との約束でいちいち、面倒でも、自宅マンションに帰ってた。
それを捕まえて、お嬢様は、庶民のベッドじゃ眠れないのね~~?
とでも、嫌みを言いに来たのに違いない。
返事なんて一つもしたくなかったけれど、ここは、大人だもんね。
にこやか笑顔で、振り返り、なるべく元気に「いえいえ、今日も頑張ります」なんて、挨拶を返し。
その相手が、誰か判って、げっ、と心の中で、息をついた。
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