白衣の天使とイケメン医師の微妙な関係

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 その彼女が、一体わたしのドコが気に入らないのか。  見かけるたびに、なんやかやといじくって来る。  ウチの病院は、立花(たちばな)記念病院って言って、つまようじから、最新型の日本国産ロケットにかかわる重要な部品を作る立花グループの傘下に入ってる。  病院自体の規模も大きくて。  地下三階、地上十五階建のビルに、ヘリポートまでついてて、時々、体調不良を訴える……要は世間さまから逃げ隠れする気満々の政治家や、有名人をかくまう『特別病棟』を有している。  かなり大きく、格式高いってのが自慢らしい。  勢い、携わっている職員の数も多く。  しかも、そのほとんどが、不規則な夜勤までしているんだ。  一応、全病棟の看護師が全員使う、一括管理のロッカールームと仮眠室、そして食堂では会う機会があるとはいえ。  勤務病棟が違えば、会うチャンスなんて、ほぼ無いに等しいくせに、わたしを見かけるたびに構うんだ。  そこんところが、近藤先輩の面倒くさい理由の一番目だ。  そして、もう一つ。  先輩の面倒~~なトコロって言ったら!
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