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「ねぇねぇ、さすがに海外資本の病院ってヤバくない?
これから、医師も患者さんも外国人ばっかり入って来るかもよ~~
最低、英語ぐらいはしゃべれないとアウトだったりして」
「英語だけなら、なんとか」
「しゃべれるの!?」
わたしの答えに、近藤先輩は、目を丸くした。
「はあ、まあ、日常会話程度なら」
ウソだ。
親が、看護師になるのを反対したら、海外逃亡を図り、アメリカの適当な州に移住する予定だったから。
看護師が普通に出来るぐらいには、知っている。
だから、別に言葉の壁とか関係ないし。
「ま、まあ、言葉が大丈夫でも、他に無茶なこともさせられるんじゃないの?
患者さんの種類も変わって来るだろうし、それ、イヤじゃない?
噂が本当だったら、あたしこの病院辞めようかなぁ。
鈴原さんはどうする?」
……辞めたら、親に次の病院でも看護師やっていい、とは言われないだろうな。
だから、辞めないし。
「……あら、鈴原さん静かねぇ。
もしかして、ちょっとショックな情報だった?」
いいえ、まったく、ちっとも。
……とは、言えずに「はぁ、まあ」と、自分でもわけが判らない返事をしてたら、先輩は残念そうな顔になった。
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