白衣の天使とイケメン医師の微妙な関係

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 どうやら、わたしの「え~~心配ですぅ」って言葉か、あわよくば「辞めちゃおうかなぁ」って言う言葉が欲しかったみたいだ。  ……言わないわよ。  そんな反応見せたら、あっという間に「鈴原さん。病院辞めるんだって~~」って噂になるに違いない。  先輩は、そう言う人だ。  そして、これが近藤先輩の一番面倒くさい所だった。  これ以上、先輩と『世間話』をするつもりは、全く無く。  そそくさと白衣に着替えて、病棟に上がったけど。  ……上がったからと言って、そこが、居心地いいって言うわけでもない。  ナースセンターでは、夜勤の看護師が、夜にあった出来事を次の日勤に引き継ぐべく、必死にカルテを書きまくっていたし。  その後ろにある看護師の休憩所では、これから働く看護師たちの間で、なんか面白いことでもあったのか、朝からわいわいと盛り上がっている。  なんの騒ぎだろうって、休憩所の扉を開ければ。  空気清浄機では、もはや対処できないほどの大量のタバコの煙が、襲って来た。
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