白衣の天使とイケメン医師の微妙な関係

10/19
前へ
/245ページ
次へ
「お゛ばよ゛う゛ござい゛ま゛ず」  タバコの煙がケムくてケムくてしかたなく。  目を瞬かせながら挨拶をすれば、先に来ていた看護師達がほぼ全員。タバコを片手に、コーヒーを飲んでた。  そして、煙にむせるわたしに向かって、げらげらと笑う。 「「これだから、お嬢さん育ちは弱いのよねぇ~~」」  ……って、それ、全く関係なくない?  世間一般では、こぞって禁煙って叫んでるのに!  小銭を持っている上。  ストレスたまるのよねぇ~~って言うのが合言葉の看護師たちに『禁煙』のふた文字は無い。  いくら、一箱のタバコの値段が上がろうとも、ほとんど全員が吸いまくり、『分煙』を訴えるには狭すぎる休憩所は、壁紙でさえも黄ばみ果てるほど大変なことになっている。  これ。  別に、育ちがどうって言う以前の問題のような気が……  タバコを吸わない人間にとっては、普通になんとかしてほしいレベルだと思うのに、誰も聞いちゃくれない。  もはや諦め、出来るだけ煙の来ない窓の下。  皆から少し離れた定位置に座れば、先に来てた看護師たちが話を始めた。  さっき盛り上がっていたヤツの続きらしい。 「……でさ。  今のウチの院長が、早期退職するじゃない?  そんで、次の院長が、すごいらしいのよ~~」
/245ページ

最初のコメントを投稿しよう!

411人が本棚に入れています
本棚に追加