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しかも、咲先輩の元旦那だもんねぇ。
ただでさえ、咲先輩は、面倒~~くさいなぁ、と思っているのに。
これ以上関係がこじれたら、目も当てられない。
放っておくと、そのまま。
立ったままでも関係なく。
ぐ~~とかいって寝てしまいそうな近藤先生を引き剥がしにかかった。
「先生!
これじゃわたしが仕事になりません!」
「ん~~」
「そんなに眠かったら、包帯交換まで、当直室で寝てたらどうですか?」
実際に、包帯交換を始めるのは、患者さんのヴァイタルサイン……熱やら血圧やらを測ってからだから、あと三十分ぐらいは時間ある。
ほらほら、今の時間、これ、と時計を差し示したら、近藤先生は、ようやく、わたしから離れてくれた。
けれども、近藤先生は、困ったように肩をすくめた。
「包帯交換一緒に回るの、田中さんだもんな~~
直前まで寝てるのバレたら、何を言われるか……」
やれやれ。
手のかかるったら!
「……起こしますよ」
仕方がないから!
「ちょうど、わたしも雑用を済ませて、患者さんの所に回るのが、その時間です。
田中さんに見つかる前に当直室に寄って起こして差し上げるので、三十分間。
先生は、ばっちりしっかり眠ってて下さいね!」
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