410人が本棚に入れています
本棚に追加
/245ページ
ディアーノ!?
わたし、やっぱりそんなパーティとか知らない。
けれど『ディアーノ』って名前には覚えがあるような気がして……はっと思いだした。
あの、手の速い占い師見習い!
タロットカードの『悪魔』に『ディアーノ』って落書きしてなかったっけ……?
でも、確か。
カードには『翔』って思い切り日本語らしい漢字が名前の部分に書かれてた。
『アルフィオ』なんて、いかにも外人らしい名前ではなかったはず。
判らない状況に首を傾げれば、咲先輩が考えるのは、あとだからね! ってわたしの手を引いた。
「向こうさんがなんで、鈴原さんの名前を知ってるか、なんて判らないけど!
あなたの行動次第で、病院の未来が変わるのよ!!
私たちのお給料のためにも、しっかり頑張ってね!!!」
「そんなむちゃくちゃな……!」
なんて、わたしの声なんて、咲先輩は聞いちゃいなかった。
妙にテンションの高い彼女に、ズリズリ引きずられるように病棟から引っ張りだされて、わたしは、すっかり忘れてた。
包帯交換前に、近藤先生を起こす約束、なんて……
最初のコメントを投稿しよう!