運命の輪 THE WHEEL OF FORTUNE

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 まともな出会いなんて、なかなか無くてさ。  手っ取り早く彼氏気分が味わえるホストに入れ込んで、身を持ち崩した同僚を山ほど知ってる。  恋愛小説や、漫画じゃあるまいし!  今時の賢い女は、危険には、近づかないモノなの!  しかも、自慢じゃないけれど、わたしに女性的な魅力は、完全に欠如している自覚がある。  なんせ、わたしの身長は百七十五センチもある。  声を掛けて来たこのひとは、更に十センチはある長身だけど。  大抵の男性諸君に肩を並べるか、追い越す身長だからして、まず見た目から可愛くない。  更に、残念な胸の大きさは、太り気味の男性に負ける自信がある。  顔の作りも十人並みで、加えてこの性格だもん。  まともに付き合おうなんて言う男は、未だかつて現れず。  正直一人の方が気楽なので、彼氏なんてこっちの方が願い下げだった。  目下の目標は、彼氏を作ることじゃない。  とりあえず一千万ほど貯金して、キレイで使い勝手のいい分譲マンションを買う、頭金にするのが夢だ。
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