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どん、がらがっしゃん!!
何か、盛大にモノが壊れる音がした。
丁度わたしたちの席の真後ろだ。
なにが起きたんだろう?
近藤先生を置いて行く気が変わり、椅子に座り直したはずなのに、音に誘われてもう一度、立ち上がる。
……そして。
席を囲む壁の端から外を覗いて固まった。
だって、その騒ぎの中心に、あの翔・ディアーノがいたんだもん!
昼間、病院で通訳をしていた時よりも。その前の時間に『占い師、見習い』なんてお莫迦なことを言っていた時よりも、派手なスーツを着ていた。
しかも隣には、美人で色っぽいお姉さんを二人も連れて。
他にも、目つきの悪い、派手なスーツの日本人の男とイタリア系らしいガタイのいい男の二人を引き連れてる。
そんな翔の足もと。居酒屋の出入り口近くの床には、一目で一般人じゃないってわかる、派手なスーツの男が長々と寝転んでたんだけど。
翔は、目を回している男の頭の上から、高価(たか)そうな赤ワインをどぼどぼかけている真っ最中だった。
しかも、とても楽しそうに。
あっはっは! なんて、無駄にいい声を笑い声に変えて……って、ナニやってるのよ!
これは。喧嘩!?
喧嘩よね!?
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