渡狸と京の出会い

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結果。 精神のたくましい図太い男になりました。 ちょっとやそっとのことじゃあ挫けない。 まず『挫ける』という言葉は渡狸の辞書にはない。 めげない、しょげない、ドラゲナイ。 レジ付近で新作マンガのポップを書いている時だった。 身長が高く、明るい髪の男性がレジカウンターに来た。 手を止めてレジに向かう。 「いらっしゃいませ。」 カウンターに置かれた本は3つ。 最近人気の推理小説2つと、あとは俗にいうアダルト本。 男性なら普通のことなので特に気にすることなくピッ、ピッ、とレジに打ち込んでいく。 「3点の合計、1780円です」 男性は2000円とポイントカードを取り出すとカウンターに置いた。 「2000円お預かりいたします。 ポイント1200溜まっていますがお使いになりますか?」 渡狸より身長の高い男性を見上げるとにこぉっと微笑まれた。 完璧にイケメンという部類だろう。 「うん~、いっかなぁ」 「そうですか。220円のお返しになります。」 レシートとともに、小銭を男性の手に乗せて、商品を受け渡す。 「ありがとうございました」
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