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西尾さんが落ち着いた所で、響さんを取り逃がした私達が次にすべき事は何かを話し合う事にした。
「しかし厄介だな。他の本家や分家の人間ならまだしも、霊が見えない落ちこぼれのお前が狙われるとはな」
「何を言っているんだおっさん!俺には、霊が見えない代わりに、プリティエンジェル達を見逃さない力が備わっているじゃないか!神様ありがとう。見たくもない霊を見るより、ずっと素晴らしい目を与えてくれて!」
……その変な目のおかげで、私が代わりをしなきゃならないんだけどね。
それに……落ちこぼれと言われても、特に気にしている様子もなさそうだし。
やっぱり変な人だよね、西尾さんって。
「それで、これからどうするの?響さんが持ってる薬を飲まなきゃ、雫ちゃんは死んでしまうんじゃないの?」
今すぐにでも助けてあげたいのに、二人がどこに行ったのかわからないなら手の打ちようがない。
「それについては、二つほど考えがある。一つは、あの変態野郎の家を突き止める事。俺の家からそれほど離れていない所に住んでるはずだ。遠いなら、天使姫を駅まで車で迎えに行くはずだからね。そしてもう一つは……」
眉をひそめ、西尾さんの表情が、真剣なものに変わった。
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