疑惑の追跡

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「ダメです。学校関係者か、生徒の保護者以外の立ち入りはお断りしております」 車を40分走らせてやって来た、姫ちゃんの学校と思われる女子校。 校門で警備員に止められて、私達は足止めされていた。 土曜日でも、ちらほらと見える生徒の制服は確かに姫ちゃんと同じ物だ。 ……こんな所の制服まで知ってるなんて、西尾さんの女子高生に対する執念を感じる。 「なぜだ!!天使達を守るナイトが、秘密の花園に入れないなんて間違っている!!明確な理由を要求する!!」 警備員を挑発するように、ビシッと綺麗に指差して西尾さんが尋ねた。 「いや、明確な理由を言ってたでしょ。関係者か保護者しか入れないって……」 私の言葉に、警備員も小刻みに頷いて西尾さんを見る。 「あ、じゃあ姫ちゃんの兄ですが。ほら、三年にいるだろう?茶髪の、可愛い子がさ」 じゃあって何よ……しかも、明らかに保護者じゃないと言うのがわかる言い方だし。 「……あんた、絶対保護者じゃないだろ?帰った帰った!ダメなものはダメなんだ!」 当然、上手く行くはずもなく、私達はこの秘密の花園……いや、学校に入れるはずもなく、追い返されてしまったのだ。
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