危険な夜

26/38
2165人が本棚に入れています
本棚に追加
/182ページ
「いたっ!」 私と、ぶつかった人がよろけて尻餅を突く。 そこにいたのは……制服を着た、今度こそ間違いのない女子高生。 と……。 「あ、大丈夫かい?しっかり確認しないと危ないからね。ほら、立てるかい?」 女子高生と一緒にいた、爽やかなな雰囲気のスーツの男性が優しく微笑みかけて、私に手を伸ばしたのだ。 「え?あ……ありがとうございます」 思わず私も笑顔になって、手を伸ばす。 そして、手が触れようとしたその時だった。 「どうした音彩ちゃん!!ああっ!!……今度こそ間違いなく可憐な天使!このナイトの助けを必要としている。しかも白!完璧な天使だ」 尻餅を突いて、少し股が開いている女子高生のスカートの中を覗き込むように、話しながら屈む西尾さん。 「ちょ!バカ!変態!何見てんのよ!」 慌ててスカートを押さえて、西尾さんを睨み付ける女の子。 男性に引き起こされて、立ち上がった私は、まだ地面に座っている女の子に視線を向けた。 肩までの茶髪で、結構派手な感じだけど、パンツを見られて恥ずかしがる辺りは純情そうに感じる。 「さあ、俺の天使。ナイトが来たからもう大丈夫だよ。胸に飛び込んでおいで」
/182ページ

最初のコメントを投稿しよう!