2166人が本棚に入れています
本棚に追加
トボトボと、二人でいちご牛乳を飲みながら西尾さんの家に向かって歩いていると、さっき響さんと姫ちゃんに出会った辺りで声が聞こえた。
話し声のようだけど……なんだか怯えていると言うか、驚いているような声。
そして……。
「きゃあああああっ!だ、誰か助け……助けて!」
その声が悲鳴に変わり、私は西尾さんの顔を見た。
「……ん?今の声が気になる?良いよ良いよ、さっきのコスプレババアの声だから。どうせ痴話喧嘩でもしてるんだろ」
もしも声の主が女子高生だったら、私を置いてでも駆け付けるのに。
変態と言うよりも、人でなしのような気がしてきたよ。
「もうっ!西尾さんが行かないなら、私が行ってくるからね!助けてって言ってるんだから、大変な事が起こってるんだよ!」
私が行ったところで何も出来ないかもしれないけど、何が起こっているのかは見てみないと。
場合によっては、警察とか救急車なんかも呼ばなきゃならないだろうし。
いつでも電話が掛けられるようにスマホを取り出して、声の方に駆け寄った。
外灯が少なく、暗い夜道で怖いけど。
交差点を曲がり、コンビニの前に目を向けた私は……自分の目を疑った。
最初のコメントを投稿しよう!