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「響さんと姫ちゃんは許嫁でしょ!それに、卒業するまで待ってるって言ってたんだから、良いじゃない。西尾さん、妄想が過ぎるよ!」
「だって音彩ちゃん!見ただろ!?あのいけ好かない態度!あれは、自分がモテると勘違いしてるね、間違いなく」
あまりに西尾さんに当てはまりすぎて、突っ込む気にもならない。
だけど村田さんは、そんな私を見て嬉しそうに口を開いた。
「いやあ、お嬢ちゃん。この数十分で、随分こいつの扱いに慣れたみたいじゃねえか。このバカが暴走しねえように、上手く操ってくれよ」
ポンポンと私の肩を叩いて笑っているけど……私が西尾さんの扱いに慣れてる?
もう、敬語を使うのもバカらしくなってタメ口になってるけど、その事かな?
「こうしちゃいられない!天使を助けるナイトとして、意地でもあの似非爽やか変態野郎を見付けないと!」
わけのわからない事を言って、勢い良く椅子から立ち上がった西尾さん。
「もう!いい加減にして!主を探さないで響さんを探す意味があるの!?まあ……私が人魂を見失ったのが悪いんだけど」
あの時、ほんの一瞬でも気を付けていれば、私は人魂を見失わなかったかもしれないのに。
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