危険な夜

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暴走しかけた西尾さんを何とか止め、私達はこの部屋で、西尾さんは隣の部屋で寝る事に。 村田さんは部屋の前で、私達が寝込みを襲われないように見張っていてくれるらしい。 安心してシャワーを浴びて、敷いてくれた布団に寝転んだ私は、どうしてこの部屋が安全なのかがわかった気がする。 天井……壁、ベッドにも、お札が貼られていたのだ。 悪霊が入って来ないように貼られているのだろうけど、そのお札は等間隔に貼られてはいない。 だからあの人魂は、お札の効力の「隙間」を見付けて出て行ったのかな。 ふわふわと漂っていたのは、出る場所を探していたからなのだろう。 そんな隙間をわざと作っているのか、貼るのが下手だっただけかはわからないけど、確かにこの部屋は、私や雫ちゃんの部屋よりも安全だと思えた。 「彰!お嬢ちゃん達の寝込みを襲おうとしてるんじゃないだろうな!?」 「おっさん、まだ起きて……い、いや違う!慣れない部屋で眠りに就けない天使達を、安らかな眠りに誘う子守歌と熱い抱擁でもてなそうと……」 「貴様を永遠の眠りに就かせてやろうか!?お嬢ちゃんが目覚めるまで、ここは一歩も通さんぞ!!」 西尾さんがいなければ……の話だけど。
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