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「に、西尾さん……まさかこの為だけに待っていたんじゃ……ないですよね」
あまりにいつも通りな西尾さんに、正直苛立ちを感じる。
姫ちゃんと一緒にいる響さんも困惑している様子。
「キミのような天使になら、変態と罵られようと構わない。そう、俺はナイト。土曜日に聖なる衣を纏った天使を守る男!」
それが目的だったのか。
私が制服を着ていないから、姫ちゃんが制服を着ている可能性に賭けて待ってたってわけね。
「西尾さんっ!何してるのよ!!姫ちゃんも響さんも困ってるでしょ!」
急いで西尾さんに駆け寄り、腕を引っ張って二人から引き離す。
朝っぱらから何をバカな事を言ってるんだか。
「ちょっとあんた!自分の彼氏くらいしっかり見ててよね!そんなやつ、首輪付けて鎖に繋いでおけば!?」
か、彼氏じゃないし!
でも……雫ちゃんを助けたら、本当にそれを実行したいと思う。
「……キミも大変だね。時間があったら話でもしたいところだけど、僕達はちょっと急いでいるから、この辺りで失礼させてもらうよ」
響さんが爽やかな笑顔を私達に向けて、姫ちゃんの背中を押して歩いて行った。
それを見た西尾さん。
「よし、後を尾けるぞ」
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