2166人が本棚に入れています
本棚に追加
村田さんに連れられて、私は喫茶店へと向かう事になった。
堂々と道の真ん中を歩く村田さんに対し、私は周囲を警戒して、物陰に隠れながら。
たまに私を見付けた、蟲憑きの人が襲い掛かって来るけど、その都度村田さんの容赦のない一撃で地面を舐めさせる。
この人、何なんだろう……不意打ちとは言え、あの西尾さんを殴り倒して気絶させたくらいだから、凄く強いのは……まあ、見た目で分かるんだけど。
それでも、村田さんの手を煩わせないように、出来るだけ身を隠して、私は移動をし続けた。
その結果、喫茶店に着けたのは10時も過ぎた頃。
開店が9時らしいから、一時間の遅刻だ。
店に入り、外から見えないようにカウンターの中にかくまってもらう。
さすがにここまで来たら、蟲に憑かれた人達も追って来ないようで、とりあえずは一安心。
「この時間だとしばらくは客は来ねえな。準備するには丁度良い」
フフンと笑い、布巾を取り出してカウンターやテーブルを拭き始めた。
西尾さんと村田さん……聞きたい事は沢山あるのに、転がり落ちるように色んな事に巻き込まれて、何から聞けば良いかわからないよ。
最初のコメントを投稿しよう!