0人が本棚に入れています
本棚に追加
「なんかたくさん来たね」ゆうくんは少し驚いています。
「おもち、おいしく焼けていたのね。大丈夫よ、みんなを呼びましょう」みいちゃんは手際よくおもちをひっくり返して行きます。
「そうだね。みんなを呼ぼう。だって僕たちには、魔法の臼があるんだもの」ゆうくんは、大きな臼から、つきたてのおもちを次々に取り出しては千切って網の上にのせて行きます。それをみいちゃんが、次々にお箸でひっくり返して香ばしく焼き上げて行きます。
手招きされた動物たちは、いっせいにかまくらの中へ転がり込みました。そしてみんなで焼きたてのおもちをハフハフとほおばりました。
お腹一杯食べた動物たちは、おもいおもいに毛づくろいをはじめました。かまくらの中は、たくさんの動物たちの体温と焼きたてのおもちのぬくもりで、ほんわりとあたたまっていたので、動物たちはとっても眠たくなってきました。まず最初に、真っ白なうさぎさんが体を丸めて眠ってしまいました。次は真っ白なきつねさんが丸まりました。真っ白なネズミさんも丸まりました。真っ白なリスさんも丸まりました。真っ白なネコさんも丸まりました。真っ白な犬さんも。みんなみんな丸まりました。
そうすると、かまくらの中にふわふわでモフモフの白い大きなベッドが出来上がりました。
「あー、気持ち良さそうなベッド! わたしたちもねましょうよ」おもちを焼きくたびれたみいちゃんも、大きなあくびを一つしました。
「そうだね、ふわふわと一緒に眠ろうね。でも寝る前に火はちゃんと消さなくちゃ」
そしてゆうくんがおもちを焼いていた火を消すと、かまくらの中に夜が訪れ、入り口から差し込む月のひかりが優しくあたたかくみんなを包みこむばかりでした。
おやすみなさい
最初のコメントを投稿しよう!