第1章

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「ああ。 一発あたまを叩いたら、 その前後のこと忘れてるから。 しれっとその間に逃げられるの」 「もしかして、俺のあたまも叩いた?」 「ごめんね」   笑わない宮田さん。 こんな理由があったなんて。 ……あ、でも。 いま一瞬、恐ろしいことに気が付いたんだけど。 「なあ。 宮田さんがずっと笑顔でいたらどうなるの?」 「小学校のとき、学校中で争いになったなー。 生徒だけじゃなくて、先生も一緒になって。 怪我人もたくさん出て、 死者が出なかったのが不思議なくらいで。 ニュースにもなったんだけど、 笹本くん知らない?」 「ああ……」   ……隣の校区の小学校で。 酷い暴動が起きたって、 確かにニュースになってた。 原因は結局わからず、 集団ヒステリーだろうって、 ことになってたけど。
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