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「ハワイまで8時間かぁ。長いなぁ」
機内に乗り込むと、
ファーストクラスでも
居心地の悪さに溜め息が出る。
とにかく、この飛行機の中のスペースに300人もの人が詰め込まれているのが信じられない
し、何度乗っても
堕ちたらどうしてくれるんだよ、オレの人生?って思う。
「8時間は長いって言わないだろ」
隣に座っているヒロキはもうすでにアイカバーをしていて
寝に入ろうとしている。
「ハワイなんて、庭みたいなものよ。眠っていればあっという間に着いちゃうから。」
里奈もヘッドホンを耳に当てながら
そう呟いた。
今回のハワイの仕事は、
ハワイで開催されるファッションイベントで里奈のブランドRipshが紹介される。
オレとヒロキは専属モデルとしてゲスト出演して、
Ripshの服のコーデのポイントをアドバイスをする。
ハワイで開催されても、
ファッション発信する先は日本だから
ファッション雑誌やバイヤーなどが待ち構えていて
そこではビジネスが渦巻く。
サマコレも、大成功して新たなクライアントも獲得出来たし
いい波に乗ってきたカンジ。
里奈はサマコレで、
メインキーパーソンはオレだと発表して
遠回しにデザインの制作の軸はオレだと公言してしまった。
そこに食らいついたバイヤーが
即座に契約を申し出た。
Ripshの服はオレがデザインも手掛けていて普段着ているという名目に
ユーザーも袖を通してみたいと購買意欲を掻き立てるんだと。
本当のところ、
里奈がオレだけのイメージで服を創り上げてるから
オレが着て見栄えがするのは当然なんだよな。
“里奈……諦めるなよ“
って言葉はかけたけど、
里奈はオレを軸にする事に満足しているようだった。
結果オーライなら
里奈も名誉に固執する事はないと
踏ん切りをつけてしまったようだ。
いいんだか悪いんだか……?
腑に落ちない部分もあるけど
里奈がオレに委ねると言うなら
オレは全力でそれを引き継ぐしかない。
本当に服のデザインも手掛けていかなくては……
仕事がドンドン次から次へと増えていく。
オレは仕事に生きたいんじゃない。
安定した収入を確立したいだけなんだけど……
ミユキとの子供が出来たら、当分一切仕事はするつもりはなかったけど、
そうゆうワケにはいかなくなりそうな現状に
だいぶ不満は残った。

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