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カインに起こされ、まだ薄暗い魔界の朝を迎える。 クローゼットを指差すカインに促され扉を開くと、色とりどりの大量のドレスが飾られていた。 「凄く綺麗。これ…」 「全部お前の物だ。だが…式に着るなら…」 カインの手が腰に添えられ一着の真っ黒なドレスを選んでくれた。 「これがいいだろう。お前の白い肌にも映える。」 カインの選んだドレスは胸元に大小の様々な宝石が散りばめられているゴージャスで艶のあるロングドレス。 「似合うかな…」 口元に笑みを浮かべて私にドレスを手渡すカイン。 「俺が選んだから似合うに決まってる。サイズ合わせてやるから早く着てみろ。」 促されるままドレスを身に纏う。 着心地のいい高級なドレス。 こんな高級なドレスはドラマでも着たことが無い。 カインは私の腰を抱き寄せると、ウエスト周りの布を掴む。 するとウエストのたるんだ布がぎゅっと引き締まる。 今度はカインの手が私の胸元に触れる。 「…っ、ぁ…」 ニヤリと笑うと大きな両手が私の胸を覆う。 そしてドレスの胸元の布が伸縮して私の胸のサイズにピッタリと合った綺麗な形になった。 「何か期待したのか?」 カインの指が胸の谷間を這う。 顔が熱くなり俯くとカインが額にキスをした。 「後でたっぷり可愛がってやるからな。」 「…っ、…バカ…」 姿見の前に立たされる自分の姿に驚く。 背中の大きく開いたドレスから真っ黒な翼が突き出ている。 カインの指が背中を這うときゅんと背中に締め付けられた感触。 大きく開いていた背中に細いリボンが交差していて、よりドレスが私の身体にフィットする。 肩を掴まれカインの方を向かせられ、カインが首を傾げる。 ふわりとドレスの裾を掴み膝上まで捲り上げられ、驚いて後ずさると腰を抱き寄せられる。 「か、カインっ…」 ドレスの裾をグッと引っ張ると、長かったドレスの前部分が膝上でカットされた。 私の太腿を撫でるカインの指が止まると、左の太腿にだけ黒いレースのガーターベルトのようなものが巻かれている。 「これでいい。」 さっきまでのドレスの雰囲気とはまた違い、かなりセクシーなドレスに形が変わり少し恥ずかしい。
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