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「こ、こんなに露出多くていいの?なんか恥ずかしい…」
「お前が一番綺麗に見えるようにアレンジしたんだが、気に入らないか?」
一番綺麗…、その言葉に何も言えなくなってしまう。
少しだけ頬を染めて上目遣いでカインを見ると片側だけ口角を上げるカイン。
「そんな顔するな。俺を煽ってんのか?」
抱き寄せられ、耳元で囁くカインの声音に胸がきゅんとする。
「なんかお前…色気が出てきたな。俺の血のせいか?」
くくっと喉を鳴らして笑いながら私の鎖骨を舐め、きゅっと唇で吸い上げ跡を残す。
「…ぁ…こんなとこに…」
カインのキスマークが残された部分が赤く熱い。
「もうっ…」
「お前は俺のモノだろ?」
カインの言葉に照れる私をおかしそうに笑う。
そして指を鳴らすとカインの姿が見慣れない礼装に変わる。
カッコ…いい…。
「…見惚れてんのか?」
心を読まれ恥ずかしくて横を向く。
「そろそろ時間だ、行くぞ。」
カインの腕の中に閉じ込められて、いつものように身体中に圧迫感が押し寄せ、カインの胸にしがみつく。
身体への圧迫感が収まりカインの腕の中で振り返ると、私達は大きな洋館の前に立っていた。
古いけど洒落た作りの洋館の扉をカインが押し開く。
外の暗さに慣れてきた私の目には、眩しいくらいの館の中の明るさに目を瞬く。
煌びやかな装飾、見たことも無い派手な内装に、礼装を身に纏った人々。
驚いているとカインが腕を出した。
カインを見上げて出された腕に自分の腕を絡ませる。
「キョウカっ!」
人々の中にシュウがいて私に手を振る。
笑顔で応え、カインと腕を組んだままその人々の輪の中へと歩んでゆく。
「ほう…淫魔から幻魔に変幻したのか…。」
大きなフクロウが喋った。
「幻魔か?妖魔ではないのか?」
物凄く派手だけど上品さを漂わせる綺麗な女性が呟く。
どこかで…会ったような気がする。
カインは私の腕を引いて数段の階段を上って足を止めた。
先ほどの大きなフクロウが羽ばたき、私達のそばの木の台にとまる。
部屋の中がしんと静まり返る。
腕を解くとカインは私と向かい合わせに立つ。
そして大きな掌を広げて私の胸に添えた。
すると胸がキラキラと輝きだした。
びっくりしたまま自分の胸元を見下ろしていると丸く輝く光の玉が私の胸から取り出される。
これが…魂?
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