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「ふーん、そうですか、どーせ嘘だろうけど、今日は入学式だから、と・く・べ・つに許してあげる。」
なんだコイツ。どんな理由よ。
「それよりさ、颯介。今日の私見て、なんか気づかない?」
「あ?いつも通りだろ。」
スラッと伸びた脚、細身の割に程よく筋肉がついていて、目が大きくて、整った顔立ち、水泳をやってるから、良い感じに小麦色の肌。
やっぱり、いつも通りだろーが。
「は?あんた、本気でいってんの?」
「なんだよ、うるせーな。何も変わってねーだろ。」
麻衣の肩がプルプル震えている。あれ?何か怒ってんのか?
「もういい!!あんたなんかしらないっ!!」
すげー大きな声出して、走ってった。
なんだよあいつ。いきなり怒りだして。これだから女の子はわかんねー。
とりあえず、クラス確認するか。
玄関前に貼ってある掲示板を見てみる。
1年3組 担任 藤牧 美香
………
沖田 颯介
あっ、おれ3組だ。
教室は、2階か。
ちょっと気になるから、麻衣の名前も探すか。
えっーと、わこう、和光…。
1年4組
…
和光 麻衣
よーし!よし!
クラスが違う!やったぞ、おれ、よくやった!!
やっと、あいつと違うクラスになれた!!
そう、おれは生まれてこの方、麻衣と違うクラスになったことがない。小学校も中学校も散々一緒で、それはもう…。
まーそれは、置いておいて。幸先良いなー!
俺の心は、久しぶりに踊っていたのだった。
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