第1章

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「ふーん、そうですか、どーせ嘘だろうけど、今日は入学式だから、と・く・べ・つに許してあげる。」 なんだコイツ。どんな理由よ。 「それよりさ、颯介。今日の私見て、なんか気づかない?」 「あ?いつも通りだろ。」 スラッと伸びた脚、細身の割に程よく筋肉がついていて、目が大きくて、整った顔立ち、水泳をやってるから、良い感じに小麦色の肌。 やっぱり、いつも通りだろーが。 「は?あんた、本気でいってんの?」 「なんだよ、うるせーな。何も変わってねーだろ。」 麻衣の肩がプルプル震えている。あれ?何か怒ってんのか? 「もういい!!あんたなんかしらないっ!!」 すげー大きな声出して、走ってった。 なんだよあいつ。いきなり怒りだして。これだから女の子はわかんねー。 とりあえず、クラス確認するか。 玄関前に貼ってある掲示板を見てみる。 1年3組 担任 藤牧 美香 ……… 沖田 颯介 あっ、おれ3組だ。 教室は、2階か。 ちょっと気になるから、麻衣の名前も探すか。 えっーと、わこう、和光…。 1年4組 … 和光 麻衣 よーし!よし! クラスが違う!やったぞ、おれ、よくやった!! やっと、あいつと違うクラスになれた!! そう、おれは生まれてこの方、麻衣と違うクラスになったことがない。小学校も中学校も散々一緒で、それはもう…。 まーそれは、置いておいて。幸先良いなー! 俺の心は、久しぶりに踊っていたのだった。
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