第1章

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えっーと、教室は…、2階か。 正面玄関前の校内案内図を見て確認する。 ここ、白凛高校にはエレベーターがついている。最近できたばかりで、なんでも、理事長がヨーロッパ被れで、フランスのとある高校にエレベーター・エスカレーターが付いていたのに感動したらしい。で、自分の高校にも付けようとしたがあまりに費用が高いので、エスカレーターは諦めた。 なんかそんなことを入学者オリエンテーションで言っていた覚えがある。 てか、エレベーターつける前にあの外観どうかしろよな。あきらかに浮いてんだろ。ほんとによ、理事長の顔を拝んでみたいわ。 続々とエレベーターに自信気にのる連中を横目に、俺はそそくさと階段で上がる。 2階なんだから階段でいけよ。これだから最近の若いのわ。根性がないよ。 入学して早々なのにボヤいてばっかだな、なんか。まー、学校が楽しければそれでいいんだけど。 目的地の教室につく。まだ8時過ぎだけど、たくさん人がいた。 席順はあの張り紙に書いてあった。俺は、あ行だから廊下側の一番後ろの席だな。 「おっーす!君、もしかして沖田くん?」 席に座った途端にまえの奴が話しかけてきた。 いきなり馴れ馴れしいな。でもま、初めて話しかけてくれた奴だし、ちょっと話してみっか。 「ん。そうだよ。沖田 颯介。はじめまして。おたくは?」
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