消失

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 僕自身のことだからと思い立ち、図書館などで調べた。だが、僕のように『色が見えなくなり、言葉の色で心情が見える』というような病気は、いくら調べても見つからなかった。  強引にいえば、文字に色が視える共感覚と交通事故なので後天的な要因により、正常色覚とされる範囲にない全色盲が合わさったという状態なのだろう。  症状が僕だけなのか、単純に本に記されていないだけなのか。  どちらにせよ病名も治療法がないのは、はっきりとは分かった。  誰にも相談できない。どのルートで考えを始めようが足掻いてみてもこの事についての考えがたどり着く結論はいつもそうだった。  けれども今のように我儘を言っている場合ではないのだ。これから先にもっと多くの人と接しなくてはならない時が来るかもしれない。  いや、それ以前にこの児童養護施設の人たちと仲良くならなくてはならないのだ。そのためには、相手の嫌なところを踏まぬようにこの力を活用したりしなくてはならない。  僕は自分自身を奮い立たせ、病院のベッドとは違う児童養護施設の布団に入ると、眠りについた。
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