◇プロローグ◇

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転職活動を地道に続け、今日はある出版社の面接だ。 この求人は転職サイトで見つけたもので、会社の規模は小さいけれど、普段から読んでいるファッション雑誌の『clover』を発行している『四つ葉出版社』なので、すぐ履歴書と職務経歴書を送付した。 他にも書類を出した所はあったけれど、まさか書類選考を通過して面接まで進むと思わなくて、大学の就職活動以来のスーツを大急ぎでクリーニングに出して、いざ面接の当日を迎える。 「でわ、選考の結果は後日改めてします」 「は、はい。本日はお忙しい中、ありがとうございました」 「そんなに堅苦しい表情しなくても、大丈夫ですよ」 私の面接を担当した男性は、ニコニコと笑顔で場を和まそうとする。 「ありがとうございます。失礼します」 私は椅子から立ち上がると、男性は私を見上げる。  (ああ―……) 今まで身長のことで散々振られてきたから、何となく表情で分かるんだよね。  ("俺よりも背が高い") 私はそんなことを思っているに違いないと、そう思って男性をじっと見る。 「そんな風に見つめられると、照れちゃうなー」 「はぃ?」 私は男性の意外な言葉に驚いて、すっとんきょうに変な音程で返事をしてしまった。 「すいません、失礼します」 私は慌てお辞儀して、面接した部屋を出ていく。 (あの男性、私の身長については何も言ってこなかったな) ここに採用されなかったら、次のを頑張ろう。 数週間後、ポストに四つ葉出版社から採用の通知書が投函された。
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