第1章:四葉出版社へ

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私は改札を出るとバックから手帳を取り出してメモのページを開き、そこには四つ葉出版社までの道のりを書いてある。 「ここを曲がれば…、あった」 メモページを見ながら歩くこと数十分、四つ葉出版社のビルが見えてきた。 今日は勤務初日とういうことで1階にあるロビーで総務課の人と待ち合わせをすることになっていて、入り口の前でスーツの襟を正してから中に入った。 私はロビーに進むと腕時計を見たら、待ち合わせ時間の10分前だった。 周りを見渡すとビルの中に続々と人が入ってきて、どの人もお洒落な服装で、私1人だけスーツだと浮いてしまうような気がした。 するとロビーの奥の廊下からスーツを着た男性が、私の方に歩いてくる。  (総務の人かな) 身長は私と同じくらい…、かな。 身長コンプレックスがあると、どうしても相手の身長を測る癖が出てちゃう。 「お待たせしました、本日から入社の星野さんですね」 「おはようございます。本日から総務課に配属します、星野美空です。どうぞよろしくお願いします」 私はこの人が総務課の人だと分かり、挨拶をした。 「こちらこそ。僕は木村亮司(キムラリョウジ)と申します。総務課は人数が少なくて覚えることが多いけれど、総務課同士仲良くしてやっていこうね」 「はい、よろしくお願いします」 「じゃあ早速、総務課に案内するね」 私を迎えに来てくれた木村さんが、ニコリと微笑む。  (木村さん、人当たりが良さそうだし、なんとかやっていけそうかも) 私は木村さんの後についていく。
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