第1章

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白樺の木立を濡らし 街を濡らして 降り続く 夜更けの雨 ぼやけて微かに映る 街のネオン 濡れたアスファルト まだ、冷たい三月の雨 クルマが尾を引いて走る 時計の針が まもなく、午前零時を指す 強さを増す風音 木立がさざなみを立てる 雨が勢いを増して 雪に変わっていく 北の大地の三月 裸樹木に降り積もる雪 枝いっぱいに白い葉を付ける 三月の雪は忘れ雪 神様がくれた旅立ちのプレゼント 四月の雪は涙雪 みぞれ混じりの雪が 淋しさ募らす 頬を伝う涙 春はまだ 別れが先にやってきた
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