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暗い森の奥深く、一人の少女が一本の剣を抱えて走っていた。
「ハァ…ハァ……ッ、ハァ…ハァ…」
少女は息を荒げながらも、走り続けた。その後ろから、数人の男の声が響く。
「おい、居たか?」
「此方には居ない、そっちはどうだ!!」
「こっちも居ない。…クソッ!!あのガキどこ行きやがった!!」
声はすぐ近く。少女は森の奥へと走った。その時、少女は足元に落ちていた小枝を踏み貫いてしまう。
バキッ!
その音は、後ろから追ってきている男達にも聞こえてしまった。
「あっちだ!!追うぞ!!」
「今度こそ逃がすな!!」
男達の怒号のような叫び声は、少女の耳にも届く。少女は走るスピードを速める。
森は奥へと進むにつれて、その暗さは増していく。この場所ならそう簡単には見つかりはしないだろう。少女は更に奥へと進んでいった。
男達の声は、段々と小さくなっていく。それでも少女は走り続けた。いつ追い付かれるか解らない為、少女はどんどん奥へ進んでいった。
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