Prolog

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建物内は、とても暗い。中に松明がある為、全く見えないわけではないが、それでも奥の方は全く見えない。 「…も、戻ろう…かしら…」 先程の決意は何だったのか。中を見た瞬間引き返そうとする少女。しかし… 「おい!あそこに何かあるぞ!!」 「何だありゃ、遺跡か?」 男達の声が近くなった。恐らく今引き返せばすぐに見つかってしまうだろう。 「…行くしか、ありませんね。…ぅぅ」 少女は内心ビクビクしながらも奥へと進んでいった。 奥に進んでみると分かる。奥の方には全く松明が置いてない。なので、どんどん真っ暗になってゆく。 「ぅぅ、何でこんなに暗いんですか?…私、暗いの苦手なのに……」 少女は涙目になりながら進んでゆく。すると、奥の方に僅かだが光が見えてきた。 「ッ!!出口!!」 少女は駆け出した。その光のもとに着いた少女は、その空間を見る。そこには、変わった色をした水のある円上の穴があった。それ以外にも、壁には色々な絵が描かれている。 ふと、少女は地面にあるその穴を見る。そこには変わった色の水があるだけだ。しかしその水からは、僅かではあるが魔力を感じる。 「何なのでしょう、この水…。微弱だけど魔力も感じる…」 そんな時だった。少女の持つ剣と穴の中の水が輝き出した。 「ッ!?何!?」 目を開けていられず、腕で顔を覆った。暫くすると光は治まり、少女は覆っていた顔を出す。すると、先程まで変な色をした水が、透明な“何か”に変わっていた。 「これは…いったい?」 少女は恐る恐る“何か”に近づく。その時だった。 「見つけたぞガキ!!」 自分を追ってきていた男達がやって来た。その声に驚いた少女は体制が崩れ、そのまま穴の中に落ちてしまった。 「キャアアアアアァァァァァァァ!!!!」 穴に落ち、そのまま“何か”が近くなってゆく。少女は目を閉じた。すると、少女は不思議な光に覆われた。 「な、何だありゃ!?」 「…え?」 少女の変化に驚きの声をあげた男。その声で、少女は今自分がどうなっているのかを知った。が、その時は既に遅かった。 少女は強い光に覆われて、“何か”と一緒に消えてしまった。
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