第2章 困惑

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ーーーーーーーーーーーーーーーーー 「彼」は困惑していた。 気がついたら、見知らぬ森の中に佇んでいたからである。 辺り一面を見渡してみても木、木、木…………………。 「彼」の中のありとあらゆる知識を掘り返してみても、まるで見たことの無い様な木々が生い茂っている。 見たことの無い木。見たことの無い空の景色。見たことの無い虫のような生物。 「彼」は瞬時に、ここが自分が住んでいた所とは違う世界ではないかと考えた。 何故なら、昔「彼」は所謂異世界というものを調べまくっていた時期があり、知識は沢山ある。 「彼」もまさか、このような所でそれが役立つとは思わなかっただろう。 だが、運命とは複雑なものである。 知識があっても、それを実行するだけの力が無い。 それは、彼自身が一番分かっていることだ。 『力が無ければ、生きてはいけない』
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