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そして、「彼」はそれと同時に恐怖を覚えた。
こう思ってしまったのだ……………。
『もう、戻れない』と…………………。
「うわぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
「彼」は恐怖の余り発狂した。
しかし、「彼」のこの行動は自然の摂理であるのかもしれない。
誰でも自分が知らない場所に、しかも1人しかいないと分かると狂ってしまうだろう。
そして、「彼」もその内の1人だっただけである。
帰る家が無い。大事な人達もいない。ましてや知らない土地………いや、星にたった一人でいるのだから。
今まで「彼」が見てきたアニメ、ゲーム等といった類いの物とは違う、本物の、異世界。
いつどこで死んでしまうかも分からない、不条理で高圧的な世界。
どうなってしまうのか、先が見えない絶望的な未来。
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