切なさは苦しみに似ている

15/40
前へ
/40ページ
次へ
  あんな拙い歌を 全国ネットに晒してしまった理由を、 志緒に語らずにはいられなかった。 「まあ、お前と再会してから どうやら俺には 無関心だったらしいって気付いて。 無駄なことしてたって判って。 ……誠司のこともあったし。 色んな意味で ぐちゃぐちゃ腹が立って」 「……」 志緒と再会してからこっち、 短い間に本当に 色んな葛藤があったな、と思う。 ──置いていったのは俺なのに、 忘れられずにいたことが 自分で許せなくて。 志緒に辛く当たったのは、 単なる自分の中のつじつま合わせだ。 置いてかれたからって、 追いかけてこなかった 志緒に苛ついてたし。 騙されただけだったが、 誠司のものに なってるんだとばかり思ってたし。 .
/40ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1135人が本棚に入れています
本棚に追加