1135人が本棚に入れています
本棚に追加
……そのくせ、3人も男を
渡り歩いてきたようには
思えねえほど、
あっちのことは初々しいし。
「──意地悪とか、
悪戯せざるを得なかった。
お前が困ってたのは
知ってたんだけど」
緊張で喉が渇いてきて、
一瞬声が掠れる。
げほんと軽く咳払いをした。
「なんか、ごめん。
あんな稚拙なのしか書けなくて。
あれじゃあ、噂にもならねえよな」
勝手な懺悔の中
ちらりと彼女を見ると、
いつの間にか俯いている。
後半の方は俺を見てなかったんだと
安堵した瞬間、
志緒がのろのろと
顔を上げるもんだから、
ばちりと目が合ってしまった。
.
最初のコメントを投稿しよう!