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「拓海、さん……」
「ん」
「きもち、い……?」
まだ理性がお留守なのか、
珍しいことを訊いてくる。
「……ああ」
頷いて、
ゆっくり押し上げてやると──
満足そうにひと声上げた。
俺の手で自分の頬を包むと、
そこに手を添えて
すりすりと懐いてくる。
気まぐれに迷い込んだ
猫のような仕草に、
胸がきゅうと啼く。
──やばい。
情けねえほど、惚れてる……。
「ん、んん……」
あらわになった首筋に
口唇を這わせながら、
ゆるゆると動く。
声にならない、
それでも色のついた息を
は、は……と漏らしながら
志緒が震えた。
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