カモの恩返し

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何年か前。 広くはないけど念願の一戸建てに引っ越しました。 昔ながらの農村風景と新しい住宅分譲地の入り混じるご近所にはまだまだ色んな鳥がやって来ます。当時小学生だった息子と夫はにわかバードウォッチャーに変身。 ポケット図鑑と双眼鏡片手に近くの河川敷に行き、トンビやカワセミを見つけては喜んでおりました。 賞味期限の切れたパンを橋の上からカルガモの親子にあげたりね。 そんなある日。 (息子が)縁日で釣って来て(私が)三年ほど育てていたミドリガメが脱走。 愛着もありますが、何よりキヤツは外来種。 すでに巨大金魚やニシキゴイの目撃情報もあるご近所の生態系をこれ以上乱してはならぬ! 引きこもり主婦立ち上がる(@昔の夢はナウシカになること)。 しかし、ホムセン購入の魚網(虫取り網より少し丈夫)片手にオバサンがうろつくのはさすがに不審者過ぎるので、息子を連れて近所の田んぼを捜索。 すると、 水の止められた用水路の側溝にカルガモのヒナが落ちて鳴いているではありませんか。 近くの田んぼではカルガモのお母さんが、声しか聞こえない我が子を案じて行ったり来たりしながら鳴いています。
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