第1章

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「綾波君悪いね、あとで埋め合わせするからね。」 「はあ、今度昼飯でもおごって下さい教授。」 綾波春日(あやなみ はるひ)21歳 南海工大4年 教授な引っ越しをなぜか手伝うはめになった俺。 一緒に頼まれた友人が、まだ顔を出さないせいで、 俺は何度も棟を往復している。 ゴン 「きゃっ。」 え、何かにぶつかった? 人? 「すみません、大丈夫ですか?」 床に荷物を置いて、 ぶつかった方へ目をやると、 尻持ちついて鼻を押さえている女の子。 黒目が大きくてウルウルしている。 か、かわいい。 直球ド真ん中! 「ら、らいりょうぶれす。」 鼻ぶつけちゃったんだ。 って俺のせいか 「ご、ごめん、痛かったね。鼻、大丈夫。」 触ろうとしたら、 ビクッと跳ね上がって、立ちあがると、 「平気レス。」 と言って一目散に走り去った。 この棟に用事があるってことは学部が同じなのかな でも、見たことないなあ。 あんな可愛い子見過ごすなんて俺もまだまだだな。 「あ、名前聞けばよかった。」
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