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「何が言いたい?」
「可偉人の物だったから奪った。僕が可偉人の物じゃなきゃ……見向きもしなかった。違いますか?」
「困った子だね」
よく吠える子犬を
手懐けるように
「僕があいつと張り合う理由なんかないさ」
律は後ろから
ギュッと僕を抱き締めた。
「あったとしたら――奪いたいほどのおまえへの愛だけだ」
「違うでしょ。彼への憎しみ、それだけ」
「いつになったら分かるんだ?」
――そんなの。
「永遠に分からないかもしれません」
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