第3章 サプライズ

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「何が言いたい?」 「可偉人の物だったから奪った。僕が可偉人の物じゃなきゃ……見向きもしなかった。違いますか?」 「困った子だね」 よく吠える子犬を 手懐けるように 「僕があいつと張り合う理由なんかないさ」 律は後ろから ギュッと僕を抱き締めた。 「あったとしたら――奪いたいほどのおまえへの愛だけだ」 「違うでしょ。彼への憎しみ、それだけ」 「いつになったら分かるんだ?」 ――そんなの。 「永遠に分からないかもしれません」
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